新宿ミーティング

: 前々から対談形式の記事を書きたいと思っていたので実行に移す事にした。今後、突発的にこういう記事を上げると思う。
今回はsmzさんとオタク全般についての対談となった。まとまりが無いけど、そもそもがまとまる話ではないので、その辺はご了承願いたい…

日時:2006/01/15(Sun)
場所:新宿 らんぶる
対談者:smzさん ── 中学3年の時、友人に『OUTを紹介される。高校に入り『うる星やつら』で本格的にこの道へ。『うる星』ではサクラさん、『めぞん一刻』では響子さん。他にユングやらフロイトやらナーガやら、非常にわかりやすい奴。彼氏になるなら『聖少女戦隊レイカーズ』橘夏音(ジュードーレイカー) 、下僕になるなら『レッスルエンジェルス』ビューティ市ヶ谷様ですが何か? 不惑の歳を越えながら、行き先不明度満点の人生を送る謎の社会人。東京都出身、独身。

S(= smz):おたく年表でググって一番最初のものを持って来ました。ですけど、女の子が作ったから俺等と若干ずれますけど。でもこれはこれで女の子の考え方が分かって面白いです。とりあえず95年から10年間、という事で話を進めましょうか。
M(= morry or 軍曹):あるんですね、やっぱりそういうのって。ところで95年って何です?
S:エヴァです。
M:そうですか。じゃぁ96年ですね。
S:それがですね、この年表では漏れちゃうんですよ。97年To Heartはあるんだけど、興味の無い所はどうしても薄くなるんだよね。当然俺達もそうなんだけど。

M:それにしてもですね、オタクの全体像を見る、というのは無理に近いですよね。
S:そうですね。
M:それは10年も20年も前から言ってたので今更、って気もしますが。そういう面では、諦めの気持ちの方が強いと思います。でもオタク検定、どうするのかなぁ。
S:あれには「ポカン」と来ましたよ。押井守風に言えば、質の悪い冗談としか。君達他にやる事一杯あるから。
M:ギャグのレベルとしてもどうかと思いますね。
S:低いですし。ところでセーラームーンSで外部の人達が入って来て腐女刺萌える訳ですね。
M:懐かしいですね。
S:この時、アニメ版が始まって。この年表、腐女刺が作ってるからSMAPデビューがあるしね。
M:う~ん、こういう情報をマージすれば良いのかと思いますね。それにしてもおたくの歴史って、見事にバブルの失われた10年とカブりますね。あれ? この時に萌えって出てるんですね。
S:そう、でもこれは腐女刺の萌えなんですよ。関係無いと思うし。やおい的な物かも知れないし。分からないけですど。全く印象が無いんで。この時なかよし買ってたんだけど。

補足)
M:オタ検に関して。この対談の後、件の本を読んだのですが、当時と今とではだいぶイメージが違います。いずれ対談ネタにするつもりです。この本をオカズにご飯3杯は行けそうだし。
S:「腐女子」が正確でしょうが身内では「腐女刺」なのでこのままで。

S:俺自身のおたくが何時から始まったかと言うと、一番最初は、ヤマトうる星やつらかどっちなんだろ、うる星が先なのかな。で、アニメが81年10月に始まってますので、俺がおたくになったのはこの辺だと思います。
M:81年という事は、オレが14才の時か。
S:俺は19才で浪人の1年目。だからコミケの歴史で言うと、最初の晴海に間に合ったんですよ。逆に言うとそれ以前の川崎市民プラザとかは分からないです。
M:オレ、高校3年(1982年)の時からですね。オタクって言うかそういうのって。
S:で、中森明夫ちゃんがおたくって言ったのは、89年
M:オレ的には大塚英志とかこの辺がオタク第一世代みたいな印象があって。
S:そうですね。間違い無くこのヒト達が先にやってるんで。
M:新人類、モロ新人類。
S:俺はうる星から入って、ナウシカブームが来て、ナウシカの方が勢力的には上回っていた、と思いますけどね。もちろん、裏ではくりいむレモンがあるのですけど。
M:う~ん、そういう面から見てオレってあんましオタクじゃなかったですね。
S:俺はこういう話を別の人と話していて、俺もどっちつかずみたいなもんだったよ。心情的にはおたくなんだけど、どうなんだろう、そういう人達と完全に同化してる訳でも無いし、むしろ突き放してる面もあるし。アンビバレントな気がする。
M:可処分所得の問題になるのかもしれないですけど、どっちか言うと今の方が。
S:要するにエンゲル係数みたいな?
M:そうですね。それにそれまでって、サブカル全般、個人的にはペヨトル工房みたいなモノを追っかけていた、みたないな。だがら今は久しぶりに自分のフィールドに戻って来た、みたいな感じです。
S:サブカルという括りで含まれちゃうんですけど、難しいですよね。俺は一時期そういうのに反発していた事があって。バブルの頃かな。
M:決して交わらない近くて遠い位置にいたと思うのですけど、近頃は垣根もあんまり無いのかな、と。
S:そういう面で、散々言われてるように「萌え」ってキーワードとして有効かな、と思いますけどね。俺個人的には強いて言うとときメモじゃないのかな、と思いますけどね。
M:知らないうちに出てきた言葉という印象ですね。3~4年程前かなぁ。
S:そのくらい前かな。じゃぁその言葉が無い時にそういうのが無かったかと言うとそうじゃ無かったと思う。
M:同時に属性という言葉が。ネットの影響ですかね。ところで、smzさんが「コミケに来る人種が変わった」って言ってたのはいつくらいからの事ですかね?
S:ビックサイトになってからで、エターナルのmgnさんを交えた3人の対談って、2000年の前かなぁ?
M:当時オレは絶筆じゃ無いけど編集活動から身を引く、とか。
S:当時留美子系自体もぐらついてた時期だしね。俺とかmgnさんもセーラームーン系に行っちゃって。で、それに対する抵抗勢力とか出て来て。いわゆる内部分裂的な感じのあった時期で。
M:オレ、そういうのに関わってなかったから何とも言えませんけど。
S:俺は「流れ編集」やってた時期ですね。その当時から人種が変わって来てるっていうか、違和感があって。当時オタクアミーゴスロフトプラスワンで講演会やってて見に行きましたよ。
M:あの、「おたくあみーごす」って何です?
S:岡田斗司夫唐沢俊一眠田直のユニットです。
M:うわ懐かしい。ちょっとずれますけど、宅八郎ってどうなったんです?
S:まだ生きてますよ。宮崎事件の直後に注目されるんですけども、ライターとしてはデビューしていて、俺は本名の原稿も編集した事あります。
M:smzさんて結構濃い位置にいたんですね。
S:分かんないですけどね。結果的にそうだっとと言えるし、無意識に望んでいた、いや、望んでたんだけど、現状とか考えずにあの頃楽しかったな、と強烈にありますよ。90年から95年くらいは。
M:オレは仕事とU&Rの編集の忙しかったなぁ、としか。
S:話を戻すと、大雑把に言って、人種が変わってきたのを感じたのは7~8年位前からですね。
M:同時にオタクのイメージが変わってきましたよね。言葉としてもマニアの替わりの用語というか。あれはちょっとびっくりしたんですけど。
S:宮崎事件の時、おたくのイメージが変わりましたが、それとはまた違うと。
M:当時は「おたく」でしたけど、現在カタカナですし。
S:しかも「オ」は「ヲ」ですから。モーヲタとか。そうですねぇ…96年あめぞうの避難所としての2ちゃんがあって、あめぞうの停止でスタッフが引越して2ちゃんになった、と。これが99年。この頃には間違い無くこういうイメージ抱いてコミケに行ってたと思いますよ。だから2ちゃんも関係あるのかな、と思います。
M:後はブログですかね。
S:そうですね。でもブログはここ2~3年の事ですけどね。眞鍋かをりエポックメイクしちゃったし。眼鏡かけてるし。まさにこれでブログがブレイクしましたね。有名人がブログやってます、的な。それはともかく、それによってコミケに来る客層も様変わりを見せた、と思います。後は、どうしても言いたいのは、作り手側になってないんですよ、男子諸君が。商業誌でやってる大手は別として、作り手側に回ったのは女の子達ばっかりで。壁じゃなくて島のサークルの人達は前からいる人達ばっかりみたいな感じがするんだけど。
M:でも、とらのあなとかでは野郎の同人ばっかりですよ。それと、壁の人達の同人を買うという目的の人達出て来ましたね。
S:逆に言うと、そういう人達におたく的な色合いが残ってるのかもしれないよね。だからこういう人達の方が、かつてのおたく的な外見であり服装であり、そうでない人は何でここにいるんだ、な感じがするんですよ。
M:なるほど。
S:だからそういう人達は並んでまで買おうとも思わないし、一イベントとして来てるのかなぁ、という気がするけどね。もしかしたらマルイのバーゲンと一緒じゃないかという感じがするんですけどね。だから覚悟を持って来てない、と言うか。ここに来る事は烙印を押される、というイメージが凄く強くあるんで。
M:分かります。それはありますね。
S:同時にそれは俺に対するアイデンティテイでもあって、それは否定すべきものでは無くて、どちらかと言うと誇るべきものに入るのだと思う。
M:確かにオタク道に入る、みたいな覚悟はありますね。でも、相変わらずというか「実はボク、オタクです」とカミングアウトした所で「はぁ?」みたいな反応で。でも、オタクじゃないけどマニア的な奴は物凄く嫌うんですよ。「もうだめぽ」と仕事中に言ったら「morryさん、止めて下さいよ」とか。
S:例えば、それはコミケだけじゃなくて、紀伊國屋書店のアネックス館漫画売り場とか行くと違和感を感じるというか、普通の青年達が連れ立って新刊買いに来たりするから、コミケを何かの聖域だと捉えているこっちがおかしいのかなという気がしますね。それがいつからこうなったのか、というのは分からないけど、ときメモからという気がするけど。ときメモの流行以来俺にとって違和感って無いんですよ。あの絵で何で君等は萌えるの? 当時萌えという言葉は無かったけど。いやいやいや、この絵で感情移入はしないだろ、みたいな。当時は、敷居が低かったから流行ったと言われたからそう思ったけど。
M:すみません、この辺の流れってオレ、ポーンと欠けてるから何とも言えないんですよ。
S:ときメモがきっかけで敷居が低くなったと言うか間口が広がったような気がするけど。あ、その前のコスプレのブームの時のスト2かな。ゲーマーが有名人として持ち上げられて。
M:他にネットアイドルとか。
S:似た様なものです。で、ゲームの発表会が大々的に行われるようになって、取材に何度か行きましたけど。マスメディアに露出してくるのがあの辺からかな、と。まずゲームという入り口から入って、ナンパ目当てでコスプレする若いあんちゃんが増えたので。
M:その後はメディアミックスですか。
S:漫画もあり、アニメもあり、で。ちなみに宅八郎ですが、バンドとかやってます。
M:泉麻人が仕掛け人ですよね。
S:大塚英志の暴露でそれを知りました。でもあんなに元々のおたくから嫌われたおたくっぽい人も居ないんじゃないですかね。おたくを利用してる、という皮膚感覚から分かったんですよね。
M:そうですね。それに、あんな奴ぁ居ねーよ、みたいな。

S:エヴァが凄かったのは、エヴァの前にガンダムがあって、それも凄かったね、という話になって、「いや実は私もガンダムファンでして」みたいなのが後から後から出てきて、お前卑怯だな、と思ったよ。何黙ってんだよ、みたいな。
M:オレはガンダムってほとんど見なかったので何ともですけど。
S:俺はヤマトの再放送は見たけどガンダムは全くスルーしてて。ところが某サークルに行くと、みんなそういう話してるんですよ。マクロスとか。もう全然付いて行けなくて困った、という記憶があります。それでもそういう連中と集まった時に見たりしましたよ。

M:ところで、自分達の世代でこういう発言してるのって、東浩紀くらいかなと。
S:大塚英志は上の世代だし。北田暁大はもう少し下の世代になるのかな。
M:自分から見て5才位下は結構居るような。ブログとかで見る限り。
S:宮台は上になっちゃうし。
M:中森明夫はアイドルになるのかなぁ。
S:そうですね。でもロリコン系の事も。その時はアニメとか漫画とかもあるけど、アイドルも入れないと。それに女性だったらSMAPとかも入れてくれないと困る、みたいな話になるし。
M:そんな中でのおたく検定ですからね。
S:何をか言わんや、ですね。
M:そもそもそういうモノを吸収し続けて膨張してる世界だし。
S:それとTV局ですけどね、フジドラゴンボールにしてもうる星にしても、自分達が作ったという変な自負があって、当時はそれが今みたいな萌えとかおたく産業とは関係無く商売になると気付くのが遅かったんじゃないかな、と思いますね。だから、それまではアニメのコンテンツと言えばフジテレビみたいな。
M:うる星ってフジテレビだったんだ。
S:そうですよ。フジテレビが話題独占、という時期があって、その後、セーラームーンがテレビ朝日ポケモンとかエヴァがテレビ東京で、そちらに取られて、広がりが大きいと。多分それでフジは焦ったと思うんですよ。それが結局、電車男に繋がると思うんですよね。それがUHFにまで拡散していくという。個人的な考えですけど。
M:すみません、民放見ないんで。それではCSとかはどうなるんでしょうかね?
S:それも拡散している現象だと思いますよ。
M:NHKもアニメやってますね。
S:きっかけはさくらでしょ。
M:ナディアは?
S:あれは名作の流れだから違うと思う。何かをトチ狂ってガイナックスにやらせたから。

M:では次に、今まで語られなかった秋葉ですかね。
S:脚光を浴びるようになったのはPCの普及でしょうね。
M:ジャンク屋、PC、萌えと上手くシフトチェンジしてますよね。でもコミケと一緒で、今はオレ達の居る場所ではないな、という気がしますよね。
S:ヨドバシはでかいね。で、軍曹上手い事言うなと思ったのは、「メイドさんが掃除して」という。
M:あの元ネタ、オレじゃ無いんですよ。全く関係の無い話だったと思います。で、整然とした町並みって好きじゃないっていうか。オレ、田舎者ですから、入り組んでた所で遊んでたので、どうしてもあの様な綺麗な所って居心地が悪くて。中央通りから西はまだまだ大丈夫かな、と思いますけど、駅前から段々と侵食されてくるんだろうな、と思います。
S:ただ、おたくという言葉が広がった時、特に街がどうのって話は取り上げられなかったし。
M:でも、萌え以前に秋葉系渋谷系新宿系とかはどうです?
S:地名で何々系は渋谷系でしょうね。しかもそれは音楽の方から。フリッパーズ・ギターですね。新宿系は椎名林檎
M:確かに。

S:俺が秋葉原に行っていたのはグラビアアイドルのサイン会や握手会があったからですよ。CDとか歌のアイドル、その後DVDが出てきて。それまでは写真集がメインだったので、むしろ神保町だったんですよ。で、俺はパソコンに詳しくないので、あの街に対するイメージは無いんですが、ある時期から、とらのあなとかK-BOOKSとかが進出し始めて人口が増えてきた、という感じなんじゃないのかな。
M:そうですよ。ハードの街からソフトの街に変わってきたと言うか。駅前のビルができてから。それの何年か前から外人さんがぐわぁっと。
S:電気製品目当てで。
M:そうですね。それとオレたちと同じレベルとして、メッカとして。
S:nerdの方がね。3年程前は結構目立ちましたね。
M:国の肩持つ訳じゃないですけど、そういう意味では観光で生きていくというのは間違いじゃないと思います。
S:そうですね。資源無いんだから。それと一時期は池袋もそういうイメージだったんですけど、秋葉に男性向けで、良く分からないんですが池袋が腐女刺の街になったのですよね。サンシャインでイベントが行われているという説もあるし。それと、去年の秋ぐらいからTVでもやってて笑ったんでだけど、「これからは秋葉系ではなくて中野系」とかで、秋葉から中野へ元々の住人が移動してるみたいで。
M:中央線はそういう人種が多いですからね。
S:サブカル系は昔からそうなんだよね。
M:もちろん他の線にもいると思いますが。
S:西武線だとか。まぁ中野がそういう風に言われているのはまんだらけがあるからなのかな。俺は晴海のコミケになってから中野に行くようになったからね。あの頃は年中無休じゃなくて火曜日休みで、委託同人誌のコーナーは結構エゲつなくて。
M:そう言えば、同人誌を一般の書店、では無いですが、特殊な書店で売り出したのも考慮しなければならないと思いますね。
S:新宿まんがのもりも一時期同人誌を置いてましたからね。でも今は新宿店無いからびっくりですよ。
M:え?
S:3年位経ったかなぁ。今あるのは池袋と渋谷で、渋谷はネット通販の事務所になっていて、しかもアメコミとか。
M:そのうちアマゾンでも同人誌扱いそうですね。ちなみにオレはこっち関係は新宿で済ませる事が多いです。
S:済みますからね、それで。
M:そうなんですよ。だから秋葉に行く用事ってほとんど無くなってしまったんですよ。それに駐車場が無くなったのがでかいです。いや、行けなくは無いんですが停める場所が無いから。
S:強いて行くならばメイドなんとかに行くしかないですよね。
M:ですかね。それに新宿は遅くまでやってるから。
S:それはあるんだよね。確かに秋葉は夜遅くなったという印象がありますよ。今までは早くて9時にはほぼ閉まってる。

footnote:
「メイドさんが掃除して」に関して、当時(2005/11/26)の日記より抜粋。

秋葉に寄ってみた。
前に行ったのは夏頃か。まだヨドバシができる前。近頃は新宿で事足りるし。

何だろ。
何と言うか、「ごちゃごちゃと雑多なイイカンジの雰囲気に散らかしていた部屋に突然メイドさんが来て綺麗にされた」違和感みたいな。ハナシには聞いていたけど、駅前の露天が軒並み店仕舞いしてるし、一方でhttp://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/04/20/007.htmlはいつの間にか雰囲気に溶け込んでるみたいな気がするし。萌え系ショップの増加は時節柄仕方無いとしてもパチンコまでできてるし。

S:村上隆という人。
M:スーパーフラットって何の事かは知りませんけど。
S:俺も知りませんけど。
M:人形か何かの人?
S:アーチスト、美術家と。あの人もおたくになろうとしてなれなかった人だと思う。だって全然萌えないんもんね。別の知り合いとも言ってたんだけど「彼にはおたくの才能が無い」って。どうしても本物のおたくになれない人がいるんだなと。いくら萌えの要素を入れようとしてもポップになっちゃうという。ポップと言い難いけど。得体の知れないサブカル的なものにしか見えない。海外から何十億という値が付くという。ひでぇなぁと思う。だからと言ってあの人がおたくの代表でも何でも無いと思うし。
M:そうですね。どっちか言うと球体人形とか変なものに逆に萌えを感じるのか、そういう人達がオタクかどうかは別としても、人は集まりますよね、何故か。ボークスがやってるやつとか。傍目には凄く気持ち悪いんですけど。
S:そうなんですよ。全く萌えないんですよ。それだけ見てもおたくとサブカルは違うという気がしますけどね。
M:ですかねぇ。オレもそちらと行ったり来たりしてる気がしなくもないからあまり気にしてませんけど。
S:結局どっちにしてもエロと密接に結び付いてるのに、そこを切り離して考える事は無理なのに、おたくマスターとか総称しようとするからおかしいんであって。

S:はとバスがおたくツアーやるとか。
M:え、そういうのあるんですか?
S:…っていうのもアリじゃないですか。はとバス最近凄くサバけてますよ。びっくりした。忘年会・新年会ツアーみたいなのがあって、一番笑ったのはクリスマスくらいにニューハーフが御案内する東京ナイトスタイルみたいなのをやっていて、すげーと思った。
M:あれって東京都のモノなんですか?
S:株式会社はとバスだから。人が集まってるのかは別にして。
M:オレ的には山手線とかの全面広告でコミケをやって欲しいなというのはあります。
S:それは無いだろうね。まぁおたくイコールコミケ参加者って訳でも無いからね。
M:見ていてキツいかな、と思いますけど、NANAであったんだからやってもいーじゃねーかと思います。
S:表は無いですけど、中はありますよね。車両ジャックみたいな。京王線でNHK衛星のアニメ番組のを見た事がありますよ。4年位前。
M:オレ、知りませんねー
S:結局何と言うか、NHK自体が市場狙いになっちゃったんだよね。おたく層への商売。マーケティングですよ。うる星とかの頃はそうじゃ無かったと思うんですよ、まだ。
M:まだそこまで誰も。
S:たまたま、そういう連中がこういうのが好きなんだ、という程度のもので。
M:多分、制作も何この気持ち悪い連中は、みたいな。
S:結局それがエヴァの最後のアスカの台詞なんだと思うけど、「気持ち悪い」という。「気持ち悪い」と見られてる意識。結局、覚悟なんだよね。ここに来たら気持ち悪いと言われちゃうんだよ、という。同時にある種のプライドみたいなものがあって。
M:そういうのを覚悟して、世間一般の顔と、オタクの顔を使い分けるという。
S:それか、あるいは。
M:あるいは、どっぷり浸かる。
S:しか無かったのに、今はそうじゃなくて良い訳ですよ。お洒落だと言うのでさらっと買いに来て。だから彼等は気持ち悪くないんだよ、全然。
M:うーん、若者も色々居ますからね。
S:居ますけど、今となっては、少数派なんだけど、中に入っていけない連中もいて。
M:それは前からいましたよね。オタクになるのは大変というか。大塚英志が言ってましたね。
S:ある程度金も必要ですしね。ファッションだ車だ、という金をこちらに回す訳ですから。
M:それにIQもそれなりに高くないと。それに一人でやるにせよ、皆でやるにせよ、社交性も無いと。無かったとしたら、才能が無茶苦茶あるとか。
S:それが社交性無くても良くなっちゃったよね、ネットの普及で。
M:なるほど。
S:引きこもってても良くなっちゃった。でも、引きこもりイコールおたくって訳でも全然無くて、本来別問題なんだけども一緒に語られる事が多い。別におたくが全部眼鏡かけて太ってて出不精って訳でも無いんで。そういう人もいますけど。むしろ最近だよね、引きこもりがおたくだ、という感じになってきたのは。
M:そうですね。どっちか言うとそういう人達はコンシューマのゲームやってるかネットのゲームやってるか、という印象しかないんですけど。で、たまにエロゲやってる奴がトチ狂った事やって。そういうの気にしてても仕方無いですけど。
S:そうだね。結局そうなんですけど、宮崎事件の時はショックだった。あの時みんな言われたんだよ。お前大丈夫かと親に。だから結局覚悟がいるのですよ。
M:一般的な日本人としての幸せを捨てるか、みたいなですかね。今はどうなんでしょうね。分からないです。10代後半からの連中の生態は分からないですから。
S:分からないし分かろうとも思わないんで。
M:ウチの会社に入ってくる奴は、別のセグメントの奴かうまく隠してるか。だから、トチ狂った奴が会社のマシンで萌え系の壁紙使ったりして、「おいおい、それはあかんで」と。
S:ある意味物凄く世渡りが上手いというか。
M:一般人の幸せも享受して良い事だと思いますよ。
S:まさにそういう流れでパチンコでエヴァ知った人居るんですよ。びっくりしましたよ。
M:それって50代60代の?
S:と思うでしょ。仕事で知り合った人で36才。で、32才で知って見始めたんですよ。とっくに終わってDVDになってるのをビデオで借りてきて。
M:教養としてのまんが・アニメって、作者がノベルの講師やってて、有名な作品を知らない生徒がいて、という話なのですが、それは20代そこそこかなと思うんですけど、36才でですか?
S:おたくじゃないんだけどね。あれだけ騒がれてたと俺は思うんだけど全くスルーして、で知ってハマったらしいんだけど。
M:でも、うちらはうちらで語ってるけど、そうでないセグメントがあるんだなぁと。そういう中でオタ検ですか。
S:あれはイベントとして楽しむものでよろしいんじゃないですか、としか言い様が無いよね。
M:ガイナックスがやりました、とかだったら、がらっと変わっていたと思うのですが。
S:完結していて面白いかも。それにその方がよっぽど良い物ができると思うし。マーケティングからアプローチするからおかしくなるんで。
M:マーケティングも難しいですよね。オレ、今のアニメって見るものと見ないものがはっきり分かれているのですが、見ない方はキャラがテンプレート通りに動いてるというか。眼鏡かけてたら巨乳で天然ボケで、みたいな。
S:そうなってしまうと、そういう層に向けたものなんだよね。作り手側としてこれ面白いな、と思ってやっていないと思うんですよ。

M:ところで、めぞんと似ている作品って何でしたけ?
S:まほらば。もぉひっくり返った。ガンガンで連載されてたのですけど何も気にしていなくて、で、アニメになって話のネタに見ておくかと見たらひっくり返ったもん。いきなりリボンで髪縛った若い女が玄関先で掃除してる訳ですよ。ピヨピヨエプロン着て。固有名詞は出てこないけど、四谷さんっぽいのも居るし、朱美さんぽいのも居るし、五代君ももちろん出てくるし。びっくりですよ。これ、編集は知ってると思うんだけど。作者は知らずに編集の言うままに描いてるのかな、と。俺が高橋留美子だったら切れてる。裁判起こして。
M:アリなんだ、そういうのって。
S:ありなんだと言うより、ええっ、と思いますよ。これは、日本の良心終わったよな、と思いましたよ。
M:何なのですかね。断絶でもあるんですかね。
S:分かんない。パクリという言葉は悪いから引用とかオマージュとか言うじゃないですか。そういうものじゃなくてあれはパクリだろ、と。
M:オマージュならばオマージュとしての在り方がある訳ですよね。
S:当時からわたしの沖田くんとかあったけどね。ラブひなも要素としては考えていたと思うんですよ。でもそれとは次元が違うと思いますよね。あれは本当にびっくりした。
M:読者層はカブらないですよね。
S:完全にカブらないと思う。
M:という事は、20年後くらいにそういうのが出てくるんでしょうね。
S:あると思いますね。放っておけば。みんな何も言わないというか、入れ替わっちゃったというか。関係無いんだろうなと。こうなったらマーケティングの産物、とでも言うのか。
M:逆に言うとマーケティングしてるのってウチらの世代ですよね。
S:そうなんですよ。だから確信犯なんだ。
M:じゃ、ウチらの世代だったら引き出しはいくらでもあるでしょうから。
S:そうそう。だから今年めぞんが実写になるのはそういうのを狙ってるんでしょう。
M:こうなるとほとんど音楽やファッションの流行のサイクルと同じですね。
S:そうそう、スカートの丈の長さと同じ様になるのかもしれませんね。まぁねぇ、NHKのBSでうる星やってるくらいだから、コンテンツ不足と同時に基準が変わったのかなぁ。

footnote:
M:Wikipediaのまほらばを読む限りでは、確かにめぞんですね。そういう面では逆に興味がありますね。でも今更昔の古傷を引っかくみたいで何とも。実写(ドラマ)化に関しては何の感想も無いと言いますか…

M:当時、留美子系のサークルって、あの様な場がある事自体が面白かったというか。だから作品としてはそれ程でも…でも無いですけど、色々な事を言ってる人達の文章読んで凄いと思いましたよ。
S:だから結局mixiって俺達やっちゃってるんですよね。
M:そういう事です?
S:そういう気がするんですよね。デジャヴじゃないけど。あれはあれとして目の付け所が上手いと思うんです。それはそれとして全く違う方法論でやっちゃってる気がする。だからマトリックスの宣伝文句で「見た事も無い映像」ってあったけど、実は俺達見てるから。
M:(笑)。映像として見た事は無かったですけど。何故でしょうね。あれ見てオレの知ってる何かを想像してしまったのは。作った本人達がそうだったから、としか。
S:あの兄弟がそうだからしょうがないよ。で、mixiですけど、やってる奴が嫌な感じがあると言ってて、その感じも分からなくは無いんですが、俺達の場合は、KEMOCON なんて近いですよね。
M:他人から見たらそうでしょうね。ところでですね、smzさんはネットだけの知り合いというか友達っています?
S:いないですね。既に知ってる人達です。
M:ああ、良かった。オレだけじゃないんだ。作ろうって気も無いんですよ。
S:ならないですね。
M:だからはてなを取ったのは良いんですけど、扱いに困ってます。日記書いたらトップページに出てきて。これだったら independ にやってる方が気楽で良いかな、と思ってます。
S:社長さんの考え方は開店開店の人とは違いますよね。京都大学って良い大学なんだと思いましたよ。
M:技術者寄りというか。
S:良い意味でマーケティングから距離を置いてますね。あの辺に共感を持てますね。
M:良い意味で隙が多いんですよ。
S:セーラームーンですね。話をmixiに戻しますが、最初本名でやってたのですが、バレちゃうんで変えたんですよ。だから結局匿名性は匿名性だなと。そうなると俺達が実際に会っても本人をペンネームで呼ぶような感じなんですよ。それでも仲良くなれない訳ではないですけど。だったら俺やってるわ、と最初思ったんです。
M:確かに、当時そういう事をやるのに異常にコストがかかったけど、今はネットだけでできるという。
S:だからと言ってネット上の友達は要らないと拒否するのでは無くて、友達ができればそれは良いのではと思います。
M:チャンネルとして多い方が良いと思いますし。オフ会とかで顔と名前が結び付けば普通の付き合いになって…ってこれは考えてみたらU&Rと同じですよね。
S:始めて間もないけど、俺という人間と通じて全く違う接点の無いジャンルの人達が繋がるのは面白いです。いちびりっぽくやってるだけですけど。それが俺という人間を客観的に映してるのかな、と思います。

footnote:
M:KEMOCONググっても、とあるサークルのしか出て来ないのですが…

M:オタクの歴史を統一的にまとめる作業をここ数年で誰かがやるのかな、と思います。
S:だから、結局どこまで入れるのか、になっちゃうと思うんですよ。
M:あるセグメント毎だったらできるだろうし。でも、やって意味があるか、と。
S:それもあるんですよね。これをおたく検定の試験範囲にします、と言われるとそれはそれで。例えばカルトQとかTVチャンピオンのレベルならば。
M:例えば、団塊世代にニューZが流行ったみたいに、オレ達も20年後位に懐古趣味的に言い出しかねない奴が。
S:それこそまほらばの様に、しれっとしてエヴァとかセーラームーンを作り出しちゃうとか。

M:前も言ったと思いますけど、同人が面白くないと10年以上前から言ってますね、俺。
S:結局作り手側にどれだけ思い入れがあるのかでしょうけど。資質とかにもよるんでしょうけど。
M:オレの場合は、本の作り、としてですね。申し訳無いですけど内容は置いておいて。ぱっと見て、これは作りが凄い、というのは無い。多分バブル位まで。で、凄いのは女の人の本。
S:近頃のちょっと大手の同人誌は、下書きの絵を飾り罫線で囲ってコメント書いて終わりみたいなのが。いやいやいや、良いけど別にねぇ。そういうのは作品を知ってる知らないに関わらずつまらない。でもそれはネットでやっても同じになるんだろうな、と思う。
M:微妙ですね。漫画版のPDFみたいなのが出てきたら話が変わると思うのですが。ともかくデータでくれません?と。保存も利くし場所も取らないし。
S:でも依然としてヤフオクで同人誌は出てる訳で。だからレコードがCDに切り替わったみたいにはならないと思う。
M:自分のサイトの文章は、全てローカルで書いてサーバにアップするやり方なので全て手元にあるのですが、それを再構成して本にする、という気は今は無いですね。それに紙に置き換える作業が面倒で。
S:面白いWeb作る人は面白い同人誌を作ると思いますよ。
M:とらのあなとかで同人ずらっと並んでるのを見るけど興味が無いですね。でも近頃は漫画の単行本を読んでますけど、やっぱりコストパフォーマンス良いですね、漫画。
S:そうそう。お手軽で。そういう側面はありますね。
M:だから個人的にヒットするのもあって。そういう物が見付け易い東京は良いし離れ難いです。なので東京というこの優位性は変わらないでしょうね。
S:ちょっと難しいでしょうね。
M:ほとんど自然発生的に、誰かが意図して行った結果じゃ無いですし。いくら経済特区みたいなのを作っても無理でしょう、みたいな。もしも場の移動があるとしたら、例えば香港台湾であって日本じゃ無いと思う。で、オレ達の子供や孫の世代がそちらに詣でに行って、中国語が必須言語になって。そういう面での焦りがあって文化振興しましょう、なら分かりますけど、そうじゃ無い様な気がして利権の構図があるんだろうな、と。10年早かった、とかそうのでは無いと思いますね。
S:例えば著作権等を逆手に取って交流したら凄く懐が深いな、と思いますよ。それが色々な問題の解決に繋がるのではないかと思います。
M:難しいですね。
S:だけど、戦争をしない手段としての文化交流としては正解だと思うんですよ。
M:戦争で思い出しましたが、ゴジラとかガメラとかの特撮物。自衛隊みたいな集団が仮想敵に向かって、というのが凄く嫌で居心地が悪いです。この10年間って、そういうのの積み重ね、みたいで。
S:分かります。
M:で、今は亡国の何とか、みたいに。
S:やっぱり確実に戦争したい人達っているんだろうね。だから本当に思うのは、技術が進歩して閉じたフェンスの中でそういう全身テクノロジーの人達集めて、そういう人達だけで戦争やってくれないかな、と思いますよ。
M:あるいは、.hackアヴァロンみたいに。他に、その代替手段としてのオリンピックワールドカップがある訳で。
S:捌け口としては大きいですよね。

M:mtkさんはLAST EXILEが好きとか。
S:分かるんですよ。あの絵は魅力的だと思うし。
M:はぁ。
S:音楽も凄かったね、OPの曲。沖野俊太郎。渋谷系の元祖的な人で。久し振りにこの人の作品を聴いたな。それはそれとして、某ラーゼフォン。まぁ何と言いましょうか、出渕さん、これがやりたかったのかと。俺に言わせると「新世紀」が来ていないという気がするんですよ。いつ来るの、いつ汎用人型決戦兵器じゃないのが出てくるの、みたいな。で、あの流れが終わった時にしれっとエヴァみたいなのが出てくるのかな。そういう意味では必要悪だと思いますね。
M:はぁ。
S:記憶を留めておく、と。何だったか忘れたけど、ああ、mtkちゃんこういうの好きなんだ、いかにもマーケティングな作品が好きなんだ、と、結構そういうのを受け入れれるんだと、ある意味羨ましさがあるんですよ。俺も良くないんだろうけど、すぐそういうのが鼻に付いちゃうんだよ。色眼鏡で見ちゃう。そういう面でげんしけんや…あ…っと、出てこない、は全くそういうのが無く楽しめた。
M:げんしけん、一回見ましたけど、近親憎悪で。あんなものなのかなーと思いますが。
S:そういう空気感、良く出来てると思う。
M:あの空気感が客観的に自分見てるみたいで、凄く嫌な。
S:昔のあの様な人達の嫌さがちょっと出て来てたりして面白かったね。あと同じ様に楽しもうとしたけどハチミツとクローバーは駄目だったんですよ。
M:…知らないです。俺の場合、チャンネル変えて何かアニメをやってたとして、2秒か3秒見て、ああ、これダメ、と。そこでイメージが決まってしまいます。
S:先に言ったまほらばは余りの出来事にしばし見ちゃった。こんな事があって良いのか?という。どこまでやるのか逆に目が離せなかった。あ、エマです。
M:mtkさん好きそうですね。あれってアニメになってたのですか。
S:なってます。ちゃんとコミックス買って読みたいと思ってる。
M:メイド属性ないですからね、オレ。
S:俺もそんなに無いです。
M:コスでいたら、まぁ可愛いかな、と思う位で。
S:年2回の改変期は全部見るんですけど、全然引っかかんない。
M:自分が引っかかったのは、MEZZOロビン地獄少女ですね。無茶苦茶古いのもありますが。って、全部ケーブルですかね。
S:話には聞くけど、見れないので。
M:スミマセン。でも少なくとも萌えでは無いですね。一緒にしちゃいますが創作系で描いてる人の絵ですね。美術系の。

M:前にsmzさんが言っていた、電車男でオタクそのものを消費したと言うのをもう少し詳しく教えてもらえませんか?
S:おたくそのもの、は難しいのですが、彼等が考えるおたく、になっちゃう。
M:あれって結局祭りなんですか?
S:祭りですよね。結局真実の話かというと分からない訳ですよ。
M:作者が一人とは限らない、とか?
S:中の人、という意味ではそうですね。小説の担当編集者は会ったと新聞で言ってましたけど分からないからなぁ。
M:TVと映画で結末が違うそうですね。
S:じゃぁ映画は結ばれないんだ。
M:結局戻ってくるらしいです、オタクの世界に。本田透が書いてました。
S:TVは違うもんね。
M:それを恋愛資本主義に組み込まれた云々と彼は書いてましたよ。
S:そういう言い方も正しいと思いますよ。本田透、なかなか。
M:そうですね。文章がちょっとくどいかもしれませんけど、今の人ですよね。
S:で、東浩紀と一緒で経験者だから、そう言えるんですよ。これは大事ですね。それでですね、例えば踊る大走査線はエヴァフレーバーを散りばめてるんですよ。字幕を出したりとか。
M:そうなんですか。
S:そういうおたく受けする要素を散りばめて、メガヒットに結び付けてたのですが、電車男はおたくそのものをコンテンツにして。再放送は箱根駅伝の裏でオタク駅伝と正にフジテレビらしい演出を施して。
M:そんなのやってたんですか?
S:全11話を6話と5話に分けてやってたんですけど、その合間にオタク駅伝って、お台場から秋葉原までオタクが走るみたいなのを。まぁ、ある意味宅八郎をもてはやした、みたいな感じなのかなと思ってる。
M:やっぱりそこに辿り付きます?
S:本田透や東浩紀みたいに同じ目線では無いでしょう。上からの目線ですよ。
M:そうですね。
S:自分は高見に居て見下してるという、被害妄想なのかもしれないけど。
M:そういう感覚は抜け切れないですよね。
S:俺が言いたいのは、いいのそんな上から見て、結局これで飯食ってんじゃんあんたらは。で、おたくを使っちゃったら後はどうすんの? という気がしている。ところで、電車男は端でちょこちょこと見てただけなんですけど、うるさいドラマだな、と思いましたよ。書き込みがあると書き込みの画面が出て、それを書いてる状況を見せるという。だから誰にも感情移入しないし、一方で誇張されてると思うし。
M:ELOを使ったんですよね。
S:DAICON FILMですね。それ持ってくるという事はスタッフの誰かが知ってるか調べた、という事ですよね。
M:確かに首を絞めてる気もしますけど、TVだからネタが無い訳じゃ無いと思いますけど。例えばNHKで…
S:NHKで秋葉原の1日を追う、みたいな事やってたんですよ、年末に。
M:そういうのあったんですか。じゃ無くですね、漫才とかバンド競わせる番組ありましたけど、あれと同じ感じで、オタクを扱うみたいな、高校生がやってるまんが甲子園みたいなのはありかな、と思いますね。
S:検定とは別で?
M:別ですね。オタク的な要素をNHKに取り込む、囲うため、みたいな。どうやるかは分かりませんけど。
S:そういう方法はNHKにまだ残ってるでしょうね。
M:で、審査員にBSマンガ夜話の面々が出てくる。こうなるとエリートとそうで無い差は…でも、不思議な言葉ですよね「オタクエリート」って。
S:むしろ劣等感というかインフィリアな者として位置付けられているのにエリートって何だよ、どっちなんだ、みたいな。
M:オレ不良でいいです。一瞬壁際の人達がエリートなのかな、と思ったけど、狭い世界での話だからそうでもなさそうですし。彼等彼女達が雑学に詳しいか、と言うとそうでも無いだろうし。
S:例えば海外に向けて上手く発信できるかと言うと違うし。一体何をもってそうしたいのか。
M:謎。
S:一番簡単な結論としては、おたく免許証3級・2級・1級とライセンス料取って儲けたいだけじゃないのかと思ってしまいます。
M:その後は情報処理みたいに細分化していくんですよね。アニメ、漫画、同人、ゲームとか。
S:本当に履歴書に書く時代が来たら面白いね。
M:往々にして業界では参考にされないというか。一つの指標にはなるでしょうけど、それだけじゃ無いですからね。
S:結局免許とか資格とか、客観的なものじゃないんだよな。漠然としてて。そこが最大の問題。
M:オタクそのものを消費したので、それをまとめてみようという連中が出ても不思議じゃないですよね。
S:そうですね。
M:オレはしませんけど。
S:やっぱりマーケティングだと思うんですよ。
M:あるいは純粋に知りたいという欲求。
S:あるのかなぁ。いずれにしても本当に放って置いてくれ、と言いたくなりますね。
M:それもありますし、一方では説教じみるつもりも無いですし、一花咲かせたヒトじゃ無いけど、言っておかなきゃなんない事はあるんじゃないかと思うんですよ。あるいは、自分のスタンスを。放って置いてくれというのもありますけど。何と言いますか、昔はこうだった、とは言いたくは無いんですけど。
S:それもありますね。
M:何と言うか、カタギの人間じゃないんですよ、と。
S:そうそう、その示しははっきりしたい、というのはあります。で、そういう自己主張は検定とは結び付かないでしょう。
M:個人のパーソナリティ、ネットワーク、才能、先見の明、とか。
S:いかに我々がいち早くアワーズイン阪急に目を付けたか、どうでもいいんだけどさ。
M:いえいえ。でも今でこそあまり聞かなくなりましたがマニュアル化の弊害、みたいなのも。でも可哀相ですよね。やりたい事やれば良いのに、そういう線が引かれちゃうと。面白く無いと思うんですよ。
S:そうなんですよね。その時点で面白いものではなくなってしまう。それを某誌で仕事ていた時にちょっと感じたんですよ。取材する側として初めてコミケに行って、あんまし面白くねぇ、と思った。
M:でしょうねえ。
S:でも自分も楽しんだ面はあるんですよ。最後尾の札をわざわざ持ってそれを撮ってもらって。コミケガイドみたいな記事だったので。そういう面では楽しんだけど、あの場では外部の人間としての違和感があった。いつもと全然違うな、という気持ちはありました。
M:麻薬みたいなもんですよね。
S:それはあると思います。
M:それと、金もそうですけど、年食って行くと時間が限られてくるからどう割り振っていくか、というのを考えると、どこかで何かを切り捨てないと。今の若い人達の10年後20年後は分からないですけど、上手く世間を渡って行くような気がします。普通の幸せな。ウチらの世代はそういう事やってるヒトも居れば、足を洗ってるヒトも居る。で、今でこそバカにして見てるけど、団塊の世代が学生紛争の頃、音楽やってましたが仕事に追われて遠のいていた、けど余裕が出来た今改めてやり始めた、というのを自分達がそういう年齢になったらそうなるんじゃないかな、と思います。今は企業戦士みたいな事やってますがね。何と言うのですかね、オレの両親は地元で地域に密着したボランティアやってますけど、オレ達は地縁がほとんど無い所から発生してますよね。そういう面から、親とは全く違う生き方をしないとダメなんだろうな、と思います。
S:そうですね。俺の両親も地元の町内会みたいなのにそれなりに参加してるんだけど、俺は分からない部分があるんで。だからそれを受け継いで行けるのかという不安もあるし、受け継いでいかなければならないのか、というのもあります。
M:微妙ですね、オレの場合。結局東京に戻ってくる、という可能性もあるのかな。でも、この時は実家捨てる覚悟が無いと。それにしてもですね、団塊の世代とかが会社辞めて地域に溶け込もうとしてる姿って結構痛いなと思います。会社の縁を使えばいいじゃん、と思うんですがね。で、オレ達は同人の縁でしか繋げない気がします。そういう面で団塊の世代の生き方を見習う…じゃなくて、見守る必要があると思います。
S:そうそう。どっちにしろそうだね。
M:ちなみにオレの親は戦中世代です。
S:俺もそうですね。
M:「あんたmorryの血絶やすんか」って言われましたよ。

footnote:
M:はっきり言って団塊の世代は嫌いです。もっと非道い事も言いたいのですが控えさせてもらいます。
「焼け跡世代」というより「戦中世代」なんですがWikiで出てきませんでした。
「オタクをまとめる」という作業に関して舌足らずなので補足すると、外部からの圧力?によって刺激を受ける事で、自分の身の回りを見渡す連中が出てきても不思議では無いと思ったからです。

S:10代20代の連中の話に戻しますけど、彼等彼女等、生まれた時からファミコンとかプレステがあった世代ですから、分からないですよ、本当に。俺達はそうじゃないから。今年の正月の朝日新聞で「12」という連載記事で印象的なのがあって。
M:オレ達の世代の生んだ子供くらいの年齢ですね。
S:新潟の震災地の子供なんだけど、小学6年生で身長が172cm位あって、サッカーとかやれば良いのだろうけど、プレステとかにしか興味が無くて、モチベーションが全てそちら。避難所で背中を折り曲げてゲームやってるみたいで。顔もそこそこで女の子にモテそうなんだけど。TVで新作のゲームのCMをやってたら食い入るように見てるって。で、言う事がこましゃくれていて、父親、って同世代ですが、ボランティアをやってるんですが、「ボランティアは金持ちで余裕がある人がやる事だ。家は貧乏だからやんなくて良いんじゃないの」とか言うらしいの。あれを読んで、鵜呑みにするのも違うのかもしれないけど、物凄いやり切れなかった。
M:そういうの嫌ですね。
S:両親はマトモそうなんですよ。特に変わった事もしてないですし、記事を読むと。ごく普通に育てようと思ってるんだろうな、と思うけど。でもあれは…将来ニートになって三畳間に引きこもって株で20億儲けるのかもしれないけど、何か…
M:ところで、smzさんってフリーターの第1世代ですよね。
S:そうですね。
M:ある意味大変ですよね。根無し草の生き方は。
S:それを実感し出したのは最近ですよ。宮仕えというか会社勤めをするのは、偉いと言うか素晴らしい事なんだな、と。やっぱりやっておかなければいけない事なのかな、と切実に思ってきた。
M:他のヒト達ってどうなんでしょうね。例えば、エロゲ買いに行ったら、たまに頭禿げたヒト見ますけど、どんな生活してるのかな、と思いますよ。
S:薬指を見ると、大抵してないんですよ。だから、ああ、この人給与全部注ぎ込んでるのか、と思うと、勝手にその人の生活が展開して。
M:脳内補完ですか。
S:きっと、かは分からないけど、レンタルビデオ屋に行っても、奥の方に行って一杯借りて処理してんだろうな、とか、風俗行くんだろうな、とか、余計な事を考えて。でもそういう人がある程度目に付く程いて。
M:オレは顔が若く見えるから助かってますけど。
S:老け顔だったら大変だと思うよ。でも例外もいて、間違い無く独り者だと思ってたんだけど。時刻表読んでるから俺達とほとんど変わらないんだけど。でも、子供が2人居て。凄く意外な感じ。
M:そういう面で、去年電車男が流行って自己分析する所に辿り付いたと思いますね。オタク全体どうなるんだろうかとか、もはや普通の幸せは無理なんだろうな、とか。
S:親戚が集まった時にそう思います。独身なのは自分含めて2人。
M:ウチは晩婚が多いです。
S:男は早目かな。同窓会に行ってもそうですね。本当に独身の奴は居ないもんね。離婚してバツイチで、はいるけど。
M:逆に言うとそこまで考えなくても良いなら、今の若い人達の方が幸せなのかな、と。
S:分からないですね。自覚してもしょうがないと言われればそうなんですけど。冷静に言うと、親からよくも勘当されないなと思う。

(ここで留美子系ファンジン出身者で広く一世を風靡した方々の話題になるが、今更ちょっとマズいと思うので—morryだったら絶対嫌—省略)
M:KEMOCON 5 の主催者のヒト達って今何やってるんでしょうね?
S:分からないですね。
M:mixiあたりに居ませんかね。平仮名で○○○○○とか。
S:俺達より少し上の世代とはぷっつり関係切れたからね。
M:意外と世代の断絶ってあるんですね。
S:そういう意味で KEMOCON 5 って大きかった。
M:近頃オンリーイベントはあってもあそこまで、っていうのは。
S:ないない。結局らんまで断絶したから。あれは高橋留美子が意図してやったのだから。それを否定しようとは思わないし、それを意図してやったのだから凄いと思う。ファンを入れ替えたのだから凄いですよ。完全にやおい作家になっちゃった。なかなか出来ないよ。
M:ですね。
S:だから、オンリーイベントっても今は犬夜叉しかないし女の子しかいないし。

M:まぁでも、不思議な現象ですよね。オタクがここまで市場として捉えられるのも。マクロ的に見たら大した事無いと思うのですけど。
S:10年以上前ですが、コミケに興味持った人がいて説明したら、イメージ操作した訳では無いのですが、「正にコミック・マーケットだね」と言って、それが結局現実の物になったのかと。当時はそういう捉え方もあるのかとしか思ってなかったけど、本当のマーケットとして使われている。
M:そういう面で国策として、観光として捉える事は文句言わないですけど。そうしないと多分、他の国に移ってしまう。ある意味ハリウッドと似てるんじゃないかなと。例えば、ヒトが居る、という状態はその方が良いと思います。次に新たな血を入れる必要があると思います。それは俺がここ2~3年やってるエロゲを見ていて、エロゲだけじゃなくてアニメもそうかもしれませんが、閉塞感が強いんですよ。
S:どんどん縮小再生産にしかならない。
M:それが嫌で。例えば、ヤマト、うる星、ガンダム、エヴァ、セーラームーン、と何年かに1度で良いんですよ。それを人為的に起こすのは無理。プチヒット程度。
S:本当にプチヒットしかないんですよね、エヴァ以降。
M:そうですね。全てのオタクの基礎知識というか知識共有してるのって。でもそれで良いと思うんですよ。そこに新たな血を入れないといけないのかな、と。例えば、邦画もどうよ、と思う面もあるのですが、今は勢いがあるのかな、と思います。そういう面で間接的に支援してくれるのは有難いのですが。そんな中でコアな活動するヒトも居ればそれを取り巻くオタクな連中が居る、で良いと思うんですよ。オレ達第二世代になるのかな、みんな子育てであと10年位は忙しいだろうけど、第一世代はどうでしょうね。
S:理解は示すと思うので、俺達はやりやすいと思う。
M:別に世代闘争してた訳じゃないですしね。上のヒト達見て「凄いな」はありましたし。

footnote:
「ハリウッドと似てるんじゃないかなと」と、ハリウッドを例に出したのは、クルーグマンクルーグマン教授の経済入門 良い経済学 悪い経済学のどちらかで、そういう事を言ってた…気がします。