「ひぐらしのなく頃に」まとめ

「嘘だッ!!」

昭和58年6月、記憶の混乱

一時はどうなるかと思っていたのだが、何か上手く、と言うよりも、ワタシ好みのハナシの持って行き方をしてくれたなぁ…と。熱い。けど、何か爽快で。
ピカレスク小説だよ、こりゃ。
そういう面で、三四の挫折と決意・上昇、最後みっともないまでの狼狽ぶりは、痛々しくて哀れを誘うとは言え、どう考えても彼女も雛見沢症候群の被害者(L5程度?)である、という面も感じる。
何よりもワタシの涙腺をうるうるさせてくれたのは、登場人物が皆、過去に何等かのトラウマ・罪、自分が好き好んで使う言葉を用いれば、「業」を抱えた上で雛見沢に集まり、昭和58年6月を迎えるのだが、それまでは、タイミングが悪いとか、疑心暗鬼のインフレ起こしていたりと上手く連携しなかったのだが、「
囃し編
」では一枚岩となって機能するので、過去のフラストレーションが一気に(良い方向へ)爆発する、と言うか、収束するカタルシスを得る事ができる。
ワタシがこれを初めて溯上に挙げたのが2004年なのだから、3年付き合って来た事になるが、そういう付き合いの長さもある種、このノベルが自分の中では特殊な位置付けにある…からかもしれない。

ちょっと疑問点はある。
沙都子とにーに。
ぶっちゃけ、彼女が義父と母を? という疑問1
エロゲ(なのか?)とは言え、慎重に言葉を選ぶ必要があるが、彼女の精神が錯乱状態であり、居なくなったトコロでおそらくは誰もが2 溜飲を下げるであろう、にーにの場合は叔母(こちらは決定的)、沙都子の場合は母と義父3 を彼女が?
ただ、まだ、にーには回復の途中で植物状態であるし、沙都子も日に2回は(予防)注射をする必要のあるカラダなので、それなりの報いは受けている、と考えられるし、にーににしてもあの場で目を覚ましてハッピーエンド、というのもさすがに…と思ったのか。割かし自分、そういうトコロに敏感に反応するらしい…
後は、大石さんが午前4時の奇襲と内通者を通せんぼする以外に動かしてくれなかったのがちょっとザンネンか。
ついでに、物語のフレームワーク上、仕方無いと思うけど、野村さん(仮名)の存在が今ひとつ。こういうハナシの場合、黒幕の黒幕はこういう位置付けでも構わないとは思うのだが、そこを突き破る何かを求めてしまう自分も、ただ単に欲張りなだけか?
それと、ハナシが長かったので「~~編」って言われてもピンと来ない…(笑

ご都合的に助けが入るとかあるけど、作者本人が言ってるみたいに「エンターテイメント」なんやしええやん、こういう展開で、と思う。
(自分が)読みたいものを提供してくれたし、面白かった。そういう作品だと思う。まるで下半身の出てこない西村寿行みたいな。そういう雰囲気もあるけど、きっちり今風でもあるし、怒涛の力技で押しまくり、みたいな気迫も感じる、という稀有な作品だった。
いやホント、何か質の悪いノベルになってしまうのかな、と思ったけど、きっちりと広げた風呂敷は畳んでくれたし、基本的には「人間性善説」で前向き4 なので、読後が非常によろしい。
ただ…改めて読み直そうか?と言う気にはなれない… 特に前半は痛々しいし何よりもコワい。トイレに行けなくなる…

まぁどうでも良い事だけど、雛見沢症候群って実は、主人公を始めとする、プロの戦争屋でも太刀打ちできないようなトンでもない連中を生み出す土壌と言うか風土の病気?みたいな。
それとこの作品の購入にはmgn氏からバックアップを頂きました旨一筆啓上候。

2006/10/22

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  1. 1. 「ひぐらしのなく頃に」まとめ
  2. 2. 「嘘だッ!!」
  3. 3. 「ひぐらし」に関する質問
  4. 4. When they cry 2
  5. 5. 【皆殺し編ネタバレ気味】惨劇で笑えるか。
  6. 6. 昭和58年6月、記憶の混乱
  7. 7. ゲーム語りの修辞学

Footnotes

  1. 1. はっきりとは語られてなかった…と思うしが、かなり黒い。

  2. 2. 物語中の人物にしろ、自分達読者も。

  3. 3. 義父は心を入れ替えたし沙都子と仲良くなろうと努力していたのだが…

  4. 4. ひぐらし前半から想像できないが。